初心者必見！アニメ塗りの基礎知識や影のつけ方を解説
デジタルイラストの塗り方で初心者にお勧めされる手法が「アニメ塗り」です。しかし、実際に自分でやってみようとしても上手くいかない方、そもそもアニメ塗りが分からない方もいらっしゃると思います。
そこで、本記事ではアニメ塗りの概要や魅力、手順、ポイント等を解説します。
- 1.アニメ塗りとは？ブラシ塗りとの違い
- 2.アニメ塗りの魅力
- 3.アニメ塗りに必要なもの
- 4.アニメ塗りの手順
- 4-1.下塗りをする
- 4-2.下塗りの色を調整する
- 4-3.光の方向を決める
- 4-4.影をつける
- 5.アニメ塗りにおける影のつけ方
- 5-1.パーツごとの影用レイヤーをつくる
- 5-2.クリッピングする
- 5-3.影色を選ぶ
- 5-4.1影を入れていく
- 5-5.2影を入れていく
- 5-6.ハイライトを入れる
- 6.アニメ塗りにおける影のつけ方のポイント
- 6-1.パーツを立体に置き換えて考える
- 6-2.奥側に影を入れて遠近感を出す
- 6-3.細部まで塗る
- 7.まとめ
＜目次＞
アニメ塗りとは？ブラシ塗りとの違い
一般的に、イラストのベースの色と影の色がはっきり分かれている塗り方を「アニメ塗り」と呼びます。
人気が高いイラストの塗り方にはもう1つ、「ブラシ塗り」がありますが、ブラシ塗りはアニメ塗りと違って影の境界線をぼかしているのが特徴です。
どちらも比較的シンプルで簡単な塗り方ですが、イラスト初心者の方は、まずはアニメ塗りを練習して「塗り」の基本を学ぶことをお勧めします。
アニメ塗りの魅力
アニメ塗りならではの良さとしては、シンプルな色彩構成で塗りやすい点が挙げられます。複数の色を重ねる必要がなく、ペンやブラシの使い分けも少ないので、デジタルイラストを始めたばかりの方でもチャレンジしやすいのが魅力です。
また、色のコントラストがはっきりしていることから、完成したイラストがメリハリのある印象になるのもアニメ塗りの特徴です。
アニメ塗りに必要なもの
アニメ塗りをする際には、以下のものが必要です。
- デジタルツール
- ペイントソフト（アイビスペイント、Photoshop、クリスタ等）
- タブレット・ペンタブレット
- 線画
>>イラストを描くために必要な道具とは？
>>【初心者向け】アイビスペイントの基本的な使い方を分かりやすく解説
4つ目の線画について、アニメ塗りでは濃くはっきりと描かれたものを使うのがお勧め。線に濃淡があったり、余計な線が描かれていたりすると完成したイラストの見栄えが悪くなってしまう、着色の手間が増える等の問題が生じます。
アニメ塗りは線画が目立つ塗り方です。アニメ塗りのために線画を用意する際は、ぜひ濃く、はっきり丁寧に線を描くことを心がけましょう。
アニメ塗りの手順
続いてアニメ塗りの手順を解説します。
1.下塗りをする
まずはパーツごとにレイヤーを分けながら、線画に下塗りをしていきます。下塗りに使用する色は、実際に使う色でなくて構いません。それよりも濃い色を使うことを意識すると、塗り残しが目立って確認しやすいので便利です。
また、下塗りの際は背景色を設定しておくと塗り残しがみつけやすくなり、最終的に綺麗なイラストに仕上げることができます。
2.下塗りの色を調整する
下塗りを終え、塗り残しまで塗りつぶし終えたら、続いて色調整の機能を使って、下塗りした色を本来の色に調整する作業に移ります。一般的には色相や彩度、明度等を調整することで、実際に使いたい色へと変更します。
3.光の方向を決める
下塗り後の色調整まで終わったら、後は影をつけるだけですが、その前に光の方向をおおまかに決めておきましょう。光の方向を決めることで、光の当たり方を意識した自然な影をつけやすくなります。
4.影をつける
最後に光源（太陽や明かり等）の位置や、3で決めた光の方向を意識しながら影をつけていきます。影を入れることでイラストが立体的になり、見栄えが良くなります。
アニメ塗りにおける影のつけ方
イラストで塗りをする時に悩みやすいのが影のつけ方（影入れの仕方）です。そこで、アニメ塗りにおける影のつけ方を詳しく解説しますのでぜひ参考にしてください。
1.パーツごとの影用レイヤーをつくる
始めに、パーツごとに影用のレイヤーをつくります。なお影用のレイヤーは、例えば髪に影をつけたい時は「髪の色を塗った下塗りレイヤーの上」という形で、関連する下塗りレイヤーのすぐ上につくるのが基本です。
2.クリッピングする
クリッピングとは、別のレイヤーの描画範囲を超えて色がはみ出ないようにする機能のことです。基本的には1つ下のレイヤーにクリッピングすることになるので、影用レイヤーをつくる時は関連する下塗りレイヤーのすぐ上につくっておくのです。
例えば髪の下塗りレイヤーの上に、髪の影用レイヤーをつくってクリッピングしておくと、髪の着色をした範囲内にのみ影をつけることができます。
このクリッピング機能を使ってパーツごとに影をつけていきましょう。
3.影色を選ぶ
影を入れる前に、まず影色を選びましょう。
影色は下塗りの色を基準に、色相、彩度、明度を少しずつずらした色に設定するのがお勧め。カラーサークルをつかうと分かりやすいです。
カラーサークルを使う場合は以下の2点を押さえた色に調整してみてください。
- 下塗りの色が黄色より左側（赤寄り）の場合は紫寄りに、右側（緑寄り）なら青寄りに色相をずらす
- 彩度、明度は下塗り時点より右斜め下へずらす
4.1影を入れていく
アニメ塗りで入れる影には「1影」と「2影」の2種類があります。
1影とはベースになる広範囲の影のことです。例えば髪の毛の場合、首の周辺や、毛先でもより奥側にある毛束等、遠近を考えた時に奥まっている部分に広く1影を入れます。
まずは影を入れたい部分を決め、ペン・ブラシツールで境界線を引いてからバケツツールで塗りつぶしましょう。境界線はくっきりと引くことが大切です。
5.2影を入れていく
2影は、1影よりも一段階濃い色の影のことで、さらに立体感を出すために入れる影です。
まずは1影用レイヤーの上に、2影用の新規レイヤーをつくってクリッピングします。そして、1影を入れた部分の中からより奥まった部分に限定して、影入れをしていきます。
6.ハイライトを入れる
ハイライトは、パーツごとに最も明るく見える部分のことです。影と同様に光源や光の方向を意識することが大切で、光源に近い場所や光の当たる部分等にピンポイントで入れていきます。
例えば髪の毛の場合、頭頂と額の中間あたりに、頭部の形に沿ってハイライトを入れるケースが多いです。また横髪や後ろ髪も、光が当たっている場所を意識し、頭部や髪の毛の形状に沿って入れていきます。
なお、ハイライトを入れる際も新規レイヤーをつくり、クリッピングしてください。
アニメ塗りにおける影のつけ方のポイント
最後に、アニメ塗りにおける影のつけ方のポイントをまとめました。影が上手に入れられない方は意識してみてください。
パーツを立体に置き換えて考える
いざ影入れの練習をしようとしても、「どこに、どのように影を入れれば分からない」と思う方は多いです。
影の入れ方が分からない時は、パーツを立体の図形に置き換えて考えてみてください。例えば腕や足等の四角形に近いパーツなら面ごとに、髪の毛や顔等の丸に近いパーツなら三日月のように影を入れると自然に見えます。
奥側に影を入れて遠近感を出す
影を入れる部分を考える時は、パーツごとの前後（手前・奥）を考えることも重要です。
正面を向いているキャラクターの髪の毛を例にあげます。この場合、前髪は手前側に、後ろ髪は奥側にあります。つまり影は後ろ髪を中心に入れることで、遠近感が出て自然な仕上がりになるのです。
実際には前髪の中でもより奥まった部分に影入れをして立体感を出しますが、まずは分かりやすい部分から影を入れて感覚をつかみましょう。
細部まで塗る
大きな影（1影）を入れるだけでも多少の立体感は出ますが、こまかな影（2影）まで丁寧に入れることで、より見栄えの良いイラストになります。線画の周り、服のシワ、髪の毛の重なり等、細部までしっかりと影の色を塗ってみてください。違いが実感できればモチベーションにもつながります。
まとめ
本記事ではアニメ塗りの概要や魅力、手順、ポイント等を解説しました。
アニメ塗りはシンプルで塗りやすく、イラストを始めたばかりの初心者に向いています。色のコントラストがはっきりしているので、メリハリのある印象のイラストに仕上がるのも特徴と言えます。イラスト初心者の方はぜひチャレンジしてみてください。
アニメ塗りを本格的に学ぶなら専門学校に通うのがお勧めです。専門学校デジタルアーツ東京のイラスト学科は実践的なカリキュラムとプロの講師による指導で、現場で使える技術が身につきます。デッサンの基礎やデジタルツールの使い方から学べるので、初心者からプロになりたい方にぴったり。デビューや作品公開の場も多数あります。
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