簡単なアニメイラストの描き方は?練習方法や上達のポイントも解説
アニメーションをつくる時、まずは基になるイラストを描く必要があります。しかし、その基のイラストを上手に描けないと悩んでいる方は多いのではないでしょうか?
そこで、この記事ではアニメイラストの描き方や練習方法、上達のポイントを解説します。
アニメのつくり方とは?
アニメーションは「原画」と「中割り」の2種類のイラストを組み合わせてつくられます。
原画:アニメーションの基になるイラスト
中割り:原画と原画をつなぐイラスト
例えば歩く動作の場合、右足を出している原画と左足を出している原画の間に、その間の足の動きをつなぐ何枚かの中割りを挟むことで、映像化した時に右足と左足が交互に前に出ている=歩いているように見せることができます。
原画や中割りの枚数は制作するアニメーションによって変わり、30分アニメの場合、原画は300カット前後必要と言われています。一方の中割りは、枚数が多い程、滑らかでクオリティの高いアニメーションに仕上がります。
なお、イラストをアニメーションにする際にはアニメーションソフトを使用します。
お勧めのアニメーションソフト
- After Effects
- Photoshop
- CLIP STUDIO PAINT
- Moho Pro
- AviUtl
簡単なアニメイラストの描き方
ここからは、簡単なアニメイラストの描き方を解説します。「アニメーションをつくってみたいけどイラストの描き方が分からない」という方は参考にしてください。
アタリの描き方
イラストを描く時は、始めに「アタリ」をとります。アタリとは、イラストを描くための目安となる線のことで、人物キャラクターを描く場合は頭や腕、胴、脚等のパーツを大まかに配置することで、サイズや形を決めていきます。さらに、頭のアタリには線を用いて顔の中心や目、耳、鼻、口の位置等を考え、バランスをとっていきます。
イラストの作成にはこのアタリをとる工程がとても重要なので、省略せずにしっかりと取り組みましょう。
輪郭の描き方
顔の輪郭はアタリに沿って描きます。輪郭は丸みがある程、可愛らしい印象になることから、デフォルメ調のキャラクターや女性キャラクターを描く場合は、柔らかい曲線で描くことを意識します。
反対にリアル寄りのキャラクターで、特に男性キャラクターを描く場合は直線的なラインを使用します。
他の方のイラストを参考にしながら、アタリに沿った輪郭の描き方を練習してみましょう。
目の描き方
目はキャラクターの印象を左右する大事なパーツです。配置や間隔は、基本的に左右対称になるように意識します。
目を描く時のポイントは目線を揃えること、正面顔の場合は白目の幅や黒目のサイズを揃えることです。黒目の中には虹彩や瞳孔を描き込むことになりますが、これらのサイズ、配置、向きも重要。基本は左右対象に描き(※)、顔の向きや視線にこだわる場合は調整します。
※片方だけ描いてコピー&ペーストしてもOK
表情の描き方
キャラクターの表情は、主に目と口で表現します。特に口は、工夫次第で多彩な表情を表現できます。
口は鼻と顎の間に1:2の比率で位置をとり、左右対称に描くのが基本です。ポジティブな感情を表現したい時は口角を上げて、ネガティブな感情を表現したい時は口角を下げて描きましょう。
また、口の下に唇の線を描くこともあります。この場合、唇の線を幅広で直線的に描くことで男性らしい印象に、丸くはっきりと描くことで女性らしい印象になります。描き分けてみましょう。
髪型の描き方
髪型はショート、ミディアム、ロング、ポニーテール等、多種多様ですが、ここではすべてに共通するポイントをお伝えします。
髪型を描く時は、最初につむじの位置を決めることと、「前髪、横髪、後ろ髪」の3つのパーツに分けることが大切です。つむじの位置を決めたら、そこから毛が流れていることを意識して頭のアタリよりひと回り外側に、パーツごとに毛束を描いていきます。横髪や後ろ髪は頭の形に沿って描きましょう。
髪の毛の描き方はこちらも参考にしてください。
>>イラストでの髪の毛の描き方は?基本と応用、コツを解説
アニメイラストの練習方法
最初からイラストを上手に描ける人はいません。あなたが尊敬するアニメーターやイラストレーター等のプロも、たくさん練習を重ねてスキルを磨いています。
アニメイラストを上手に描けるようになりたいと思った時の練習方法は複数あります。ここでは代表的な2つの練習方法をご紹介します。
トレース
参考となるイラストの上にトレース用の髪(デジタルの場合はレイヤー)を重ね、上からなぞる練習方法です。線の引き方や、体の構造やパーツの配置等を感覚的に覚えることができます。
模写
参考となるイラストをじっくりと観察し、できる限りそっくりに描き写す練習方法です。細部までチェックする力や全体のバランスを見ながら描く力が養われるため、イラストを作成する基礎的なスキルが大幅に上達します。
アニメイラストが上達するためのポイント
上でご紹介した練習に取り組む際のポイントもお伝えします。
毎日練習する
最も重要なのは毎日継続して練習することです。アニメーターやイラストレーターの中には、子供の頃からずっと絵を描き続けていたという方がとても多くいます。短時間でも、1日1枚でもコツコツ描き続けることで、少しずつスキルを磨くことができます。
人体構造を理解する
アニメイラストの作成で難しいのは等身のキャラクターを描くことです。全身のバランスや体の厚み、関節の角度等を自然に表現できなければなりません。
全身のイラストを違和感なく作成するために大切なのは人体構造を理解すること。一見するとイラストの作成に関係がない知識に思えても、キャラクターのシンプルな立ち姿から躍動感のある動きまでを表現するために欠かせないので、描く練習をする傍らで勉強しましょう。
描いた作品を見てもらう
描いた作品はSNSやイラストのコミュニティサイト等で他人に見てもらいましょう。公開したイラストの評価がモチベーションアップにつながることがありますし、細部までこだわる意識も身につきます。
まとめ
この記事ではアニメイラストの描き方や練習方法、上達のポイントを解説しました。
原画や中割りはアニメーションのクオリティを左右する重要な要素です。原画、中割りのイラストを綺麗に描くことができれば、アニメーションの完成度もぐっと上がることでしょう。
上手なイラストを描く力を養うなら専門学校デジタルアーツ東京で学ぶのもお勧め。実際に制作に取り組みながら、作画のあらゆる技術を身につけられます。アニメイラストの上達をめざしつつ制作のノウハウも学んでいきたい方はぜひチェックしてみてください。