ゲームのRTAとは?ルールや魅力、独自の文化について分かりやすく解説

ゲームが好きな方なら「RTA」というワードを目にした、あるいは耳にしたことがあるかもしれません。しかし、「実は詳しい意味までは知らない……」という方も多いのではないでしょうか。
そこでこの記事ではRTAについて解説します。言葉の意味はもちろん、基本的なルールや魅力、独自の文化等をまとめているので、ゲームが好きな方や、RTAに興味がある方はぜひ目を通してみてください。
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<目次>
- 1.RTAとは?TAと何が違うの?
- 1-1.TAとの違い
- 2.RTAの基本的なルール
- 3.なぜRTAが流行しているの?
- 4.RTAの魅力
- 4-1.自由度が高い
- 4-2.ジャンルを問わない
- 4-3.親しみやすい
- 5.過去に実施されたRTAのタイトル例
- 5-1.『スーパーマリオブラザーズ』
- 5-2.『FINAL FANTASY XV WINDOWS EDITION』
- 5-3.『ポケットモンスター赤緑』
- 6.寄付投票で結果が変わるRTA独自の文化
- 7.RTAに関するQ&A
- 7-1.初心者でもRTAに参加できる?
- 7-2.RTAに必要な準備は?
- 7-3.RTAの練習方法は?
- 7-4.RTAの大会にはどんなものがある?
- 8.まとめ
RTAとは?TAと何が違うの?
RTAとは、「Real Time Attack(リアルタイムアタック)」という言葉を省略した単語です。
この時点ですでにピンと来た方もいるかもしれませんが、RTAは簡単に言うと、現実でのゲームプレイ時間を競う競技のことを指します。「現実で」という点がRTAの大きなポイントで、ゲーム内の操作や攻略にかかる時間はもちろん、本来ならばゲームのプレイ時間にカウントされない時間まで計測されるのが特徴です。
なお、RTAという呼び方は日本発祥であり、海外では「Speed Run」と呼ばれています。
TAとの違い
多くの方が知っている一般的なTA(タイムアタック)は、純粋なゲームのプレイ時間を計測します。ゲーム内にプレイ時間が表示される場合、それを参照すると考えれば分かりやすいかもしれません。
しかしRTAはスタートからゴールまでにかかった現実の時間を計測する競技です。上述したプレイ時間に加えて、セーブやロード等にかかる待ち時間、さらには食事やトイレ等の休憩にかかった時間までを、タイマーを使って計測します。
TAよりもさらに工夫が必要であり、無駄を省くことが求められる競技。それがRTAです。
RTAの基本的なルール
ここではRTAのルールについて、もう少し詳しく解説します。
まず最も肝心な時間の計測方法ですが、前述の通りRTAではゲーム内に実装されているタイマー(プレイ時間)ではなく、別途で用意したタイマーを使って、スタートからゴールまでの時間を計測します。
基本的にチャレンジ中はタイマーを止めることはありません。実際にゲームをプレイしている時間はもちろん、セーブやロード、リセット、食事・トイレ等の休憩時間まで、常にタイマーを動かしておきます。ただし休憩時間に関しては、決められた時間を設けてその間のみ計測を止める場合があります。特にクリアタイムが長時間に及ぶゲームは、計測外の休憩時間が確保されるケースが多いです。
そして最後にゴールの基準について。RTAでは、チャレンジが終了するタイミングであるゴールは、走者が自由に決められます。ゲームのクリアをめざすのも、特定のポイントへの到達を条件に設定するのも自由です。
なぜRTAが流行しているの?
RTAは日本だけではなく世界で広く親しまれています。それ程RTAが流行しているのは、現代を代表する文化の1つである配信文化との親和性が高いためです。
RTAは、ゴールに至るまでの過程にさまざまな工夫がされます。視聴者はプレイの様子を追うことで、ゴールの瞬間だけではなくそこに至るまでの過程も楽しむことができるので、配信との相性が抜群です。
特にバグを駆使したショートカットや、練習の積み重ねによって磨き上げられたテクニックは、未プレイの人にも驚きをもたらします。こうした盛り上がる瞬間の存在も、多くの方をRTAに惹きつける要因となっています。
走者側に関しては、誰でも始められるハードルの低さが流行している理由の一つです。RTAは特別な機材は不要で、手持ちのゲームとタイマーさえあれば誰でもチャレンジできます。初心者向けのルールも多く、通常とは異なる形でゲームを楽しみたい方に人気の競技となっているのです。
RTAの魅力
ここからは、RTAの魅力をさらに詳しく紹介していきます。
自由度が高い
RTAは自由度の高さが魅力の1つです。スタート地点やゴール地点を自由に決められるので、走者は自分の得意・不得意を考えてチャレンジできます。
また、ルールによってはバグを利用できるのもおもしろさの幅を広げています。通常では不可能な方法で進行することで、ゴールまでにかかる時間を短縮できるケースがあるので、走者にとってはこのバグ探しや研究も、RTAという競技の醍醐味と言えます。
ジャンルを問わない
RTAは最新の超大作RPGから誰もが知るアクションゲーム、さらにはマイナーな学習ソフトや料理ゲームまで、あらゆる作品が競技の舞台となります。攻略の切り口も多様で、純粋な操作精度を競うものから、バグを駆使して数秒でクリアするものまで多岐にわたります。こうした多様な作品が、走者のテクニックによって全く別次元のおもしろさを持つ様子は、全ゲーマーに共通する驚きと興奮を与えてくれます。
親しみやすい
RTAは、視聴者がただ「見る」だけでなく、同じ時間を共有して盛り上がれる双方向の親しみやすさがあります。大規模イベントではチャット欄を通じて走者を応援したり、解説役のユーモア溢れる説明に反応したりと、会場全体で一体感を楽しめるのが特徴です。
さらに、チャリティイベントでは後述する寄付投票システムが用意されることもあります。ゲーム内の選択肢を視聴者の寄付によって決定できるため、自分のアクションが直接配信の内容に影響を与えるという、参加型エンターテイメントとしての醍醐味も味わえます。
過去に実施されたRTAのタイトル例

では、実際にどのようなRTAのチャレンジが過去に行われてきたのでしょうか?
以下で一例をご紹介します。
『スーパーマリオブラザーズ』
「スーパーマリオ」シリーズと言えば、古くから愛されている任天堂のゲームであり、大人から子供まで、ほとんどの方がその名前を知っています。
そんな「スーパーマリオ」シリーズの初代タイトル『スーパーマリオブラザーズ』は、多くの走者が熾烈な争いをしているゲームタイトルの一つです。
『スーパーマリオブラザーズ』の「あらゆる手段でできるだけ早くゲームをクリアする」チャレンジでは、ワープで途中のステージをスキップする、演出をカットするために時間を調整する等の工夫により、ステージ1−1からピーチ姫の救出(ゲームクリア)まで4分台の記録が打ち出されています。
『FINAL FANTASY XV WINDOWS EDITION』
スクウェア・エニックスから発売されたRPG「ファイナルファンタジー」シリーズの15作目のタイトルです。主人公のノクティスが真の王になるまでの道のりを描いた物語であり、仲間との旅路が魅力。本来ならばじっくりと旅の道中を楽しむのが醍醐味の作品です。
過去に大規模イベント「RTA in Japan」で実施されたチャレンジでは、多数のバグを駆使した最速クリアチャレンジの様子が配信され、YouTubeにはアーカイブも残っています。壁抜けや巨大化等、最後までほとんどバグを活用しながら進むので、通常とは異なるプレイ方法に興味がある方なら楽しめること間違いなしです。
『ポケットモンスター赤緑』
幅広い世代に愛される任天堂の人気シリーズ「ポケットモンスター」の初代タイトルです。2026年にはGBA(ゲームボーイアドバンス)で発売されたリメイク作品『ファイアレッド・リーフグリーン』が、時を経てNintendo Switchでも配信され、話題を呼びました。
RTA in Japanでは150種類のポケモンを最速コンプリートするまでの様子が配信され、こちらもアーカイブが残っています。一人で2つのコントローラーを使い、2つのソフトを同時に操作することでコンプリートまでの時間を短縮するという、個人のプレイスキルの高さが分かるチャレンジです。交換を活用して攻略をスムーズにする工夫等も行われています。
寄付投票で結果が変わるRTA独自の文化
RTAはチャレンジを見る人も楽しめるコンテンツですが、その理由の1つとして前述した独自の寄付投票文化が関係しています。
RTA大会は、国内外を問わず多くがチャリティイベントとしての側面を持っています。そんなRTA大会の中には、寄付と投票を融合させ、視聴者をより楽しませるコンテンツとして昇華しているものもあります。
日本最大級のRTAイベントである「RTA in Japan」は、寄付を用いた投票システムを実装しているRTA大会の一つです。運営側が提示した項目に対して視聴者は寄付投票をすることができ、その結果によってゲームの設定や進行方法等が変わります。
例)
スーパーマリオメーカー 2:使用するキャラクターが、最も寄付額の多い選択肢のものになる
星のカービィ Wii デラックス:目標金額に到達した場合、完走後に隠しステージに行く
このような視聴者参加型の仕組みが採用されていることもあり、RTAは走者だけではなく、視聴者も一緒に盛り上がれるコンテンツになっています。
RTA in Japanの場合、視聴者からの寄付金は全額、国境なき医師団に直接送付されます。2025年の冬に開催された大会では投票だけで1,862,331円、Twitchでの配信による収益等も合わせると約2100万円以上もの寄付額が集まりました。
RTAに関するQ&A
最後に、RTAに興味を持ったばかりの方からよく寄せられる疑問をまとめました。これからRTAに挑戦してみたい方は、ぜひ参考にしてください。
初心者でもRTAに参加できる?
もちろん、初心者でも参加できます。
現在活躍しているトップランナー達も、最初は全員が初心者でした。RTAは他の人と競うだけでなく「過去の自分の記録を上回る」という自己ベストの更新を楽しむ側面が非常に強い遊び方です。
これからRTAを始める場合、まずは自分の大好きなゲームや、プレイ時間が短く完走しやすいゲームからチャレンジするのがお勧めです。RTAのコミュニティは新規プレイヤーに対して好意的なことが多く、分からないことがあればSNSやDiscordのコミュニティで質問すると優しく教えてもらえる環境が整っています。
RTAに必要な準備は?
RTAを始めるための必須アイテムは、「ゲーム機本体またはPC」と「ゲームソフト」のみです。これさえあれば、手元の時計でタイムを測ってすぐにでも始めることができます。
ただし、記録をインターネット上のランキングサイトに申請したり、動画共有サイトで配信・投稿したりする場合は、以下の機材やソフトを準備すると良いでしょう。
キャプチャーボード:家庭用ゲーム機の映像をPCに取り込むための機材。
配信・録画ソフト:プレイ画面を録画したり配信したりするソフト(OBS Studioが主流)
タイマーソフト:区間ごとのタイムを計測・表示するソフト(PCのLiveSplitが主流)
最初は高価な機材を揃える必要はありません。まずはスマートフォンのストップウォッチ機能等を使って、気軽にタイムを測ってみることから始めてみてください。
RTAの練習方法は?
RTAの記録を縮めるための効果的な練習方法は、以下の3つのステップに分けられます。
- 先駆者のプレイ動画を参考にする
- 区間ごとの反復練習
- 通しプレイでの実践
まずは同じゲーム・同じカテゴリの世界記録動画や、解説動画を視聴しましょう。これによってどのようなルートを通っているのか、どんなテクニックを使っているのかを学びます。
プレイ動画を見てコツをインプットしたら、今度は実際にゲームをプレイしながらタイムを縮める練習をします。基本的にはまず最初から最後までプレイしながらセーブデータをこまかく分けておき、その後、難しいテクニックが必要な場所やボス戦を何度も反復練習するのがタイム短縮の近道です。
区間ごとの動きが安定してきたら、タイマーを動かして最初から最後まで通してプレイしてみましょう。ポイントごとのタイムを短縮するだけではなく、本番環境に慣れることもRTAでは重要です。
RTAの大会にはどんなものがある?
RTAの大会やイベントのうち、特に大規模なものには以下のようなものがあります。
- RTA in Japan(RiJ)
- Games Done Quick(GDQ)
日本最大級のRTAイベントです。夏と冬の年2回開催され、さまざまなジャンルのゲームが数日間にわたってノンストップでプレイされます。Twitch等の配信プラットフォームで数万人が同時視聴する非常に注目度の高いイベントです。
アメリカで開催される世界最大規模のRTAチャリティイベントです。世界中からトップランナーが集結し、神業のようなプレイを披露します。
これらのような大規模イベント以外にも、特定のゲームタイトルに絞った大会や、初心者向けの小規模なオンライン大会等が頻繁に開催されています。まずは視聴者として大会の熱気を体験してみるのもお勧めです。
まとめ

RTAとは、ゲームをスタートしてからゴールするまでにかかったほぼすべての現実時間を競う競技です。プレイ時間を短縮するための仕様の理解や攻略方法の模索力はもちろん、セーブやリセットにかかる時間を最低限に留める操作の緻密さ、他のことに気を取られずゴールまで駆け抜ける集中力、ルールによってはバグを発見する能力等も必要になります。
このように多彩な知識・スキルが求められるRTA走者ですが、準備さえ整えれば初心者でもチャレンジすることができます。ゲームが好きな方は、ぜひ自分でもRTAに参加してみてはいかがでしょうか?
特にゲームクリエーターをめざしている方は、一度RTA走者として競技にチャレンジしてみることをお勧めします。仕様の理解や集中力、バグを発見する能力等、RTA走者に求められる知識やスキルには、ゲームクリエーターに必要な知識やスキルと共通するものが多くあります。
逆にRTA走者として培った能力を、ゲームクリエーターとしての将来に活かすことも可能です。専門学校デジタルアーツ東京なら、現役プロからの直接指導やプロ仕様のソフトを使ったゲームづくりを学べるので、専門的な知識がない方でもゲームクリエーターをめざせます。
まずは、体験入学でゲームづくりに触れ、ゲームをつくる側になるための第一歩を踏み出してみませんか。
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