デジタル作画のお勧めソフトって?
今さら聞けない基礎知識やメリットも解説
アニメーションの世界では主流となっている「デジタル作画」。
現在、アニメやマンガ、イラスト等の仕事に携わっている方の多くは、紙やペンを用いて描く「アナログ作画」から「デジタル作画」へ大きくシフトしています。
ここでは、デジタル作画の基礎知識に加え、お勧めソフトやメリットについても解説。
デジタル作画について詳しく知りたい方は要チェックです。
デジタル作画とは?初心者でもOK
デジタル作画とは、紙に描く作画をスマートフォンやタブレット、パソコン等のデジタル上で行うこと。
昔は紙に描く「アナログ作画」が主でしたが、近年ではデジタル作画のほうが主流になっています。
デジタル作画は、40年前ぐらいから導入され始めたといわれ、今では多くのアニメーション会社やアニメ制作を学ぶ専門学校等で取り入れられているのです。
このデジタル作画を行うには、専用のアプリやソフトが必要になります。
これらには、初心者向けから上級者向けまで幅広くあるので、「まだ絵の練習を始めたばかり」という方も安心。
また、デジタル作画のアプリやソフトには無料と有料があるので、機能性や操作のしやすさ等を考え、自分に合うものを選ぶと良いでしょう。
初心者は、無料のものから始めてみるのがお勧めです。
デジタル作画に必要なツール
デジタル作画をする際には、ベースとなるツールが必要です。
どのようなツールがあるのか見ていきましょう。
パソコン
デジタル作画の代表的なツールと言えばパソコン。
ただし、パソコンであれば何でも良いということではなく、デジタル作画をメインにするのであれば、スペックに気をつける必要があります。
デジタル作画にお勧めのスペックはこちら。
・CPUはIntel製の「Intel Core i5」以上のもの
・メモリは「8GB」以上のもの
・ストレージは「SSD200GB」以上のもの
・モニターは「フルHD(1980×1080)」以上のもの
CPUはパソコンデータの処理を行う、いわゆる頭脳的役割を果たすパーツのことです。
デジタル作画のように、パソコンにとって負担がかりやすい作業をする場合は、性能の高いものを使うのがお勧め。
また、メモリの容量が少ない場合はパソコンがフリーズしたり、処理する速度が遅くなったりすることがあるため、8GB以上あるものを選ぶようにしましょう。
ペンタブレット
ペンタブレットは、パソコンに接続して使うペンのことを言います。
ペンタブレットには、「板タブレット」と「液晶タブレット」の2種類があり、それぞれ使い方が異なるのです。
板タブレットは一般的に「板タブ」と呼ばれており、パソコンの画面を見ながら専用のペンを用いて手元の盤面で絵を描くもの。
液晶タブレットよりも板タブのほうが安価というメリットがある一方、液晶がついていないので、慣れるのに時間がかかるデメリットもあります。
液晶タブレットは一般的に「液タブ」と呼ばれており、液晶画面がついたタブレットのこと。
液晶画面に直接描けるため、使いやすさ・描きやすさで言えば、液タブがお勧めです。
タブレット&タッチペン
ここで言うタブレットとは、前項のような板タブと液タブとは異なり、もともとOSが搭載されているタブレットパソコンのことで、iPadやWindows、android等を指します。
OS搭載なのでパソコンやスマートフォンにつなげる必要がなく、好きな場所で気軽に楽しめるメリットがあります。
このようなタブレットでデザイン作画を行う場合は、別でタッチペンを購入する必要があるので注意しましょう。
デジタル作画ソフト
前項でも述べたように、デジタル作画では「イラストソフト」「お絵描きソフト」「ペイントソフト」等と呼ばれるものを使用します。
これらには無料と有料のものがあるので、自分の使いやすいものを選ぶと良いでしょう。
とはいえ、「どれを選んで良いのか分からない」という場合もあると思います。
そのような場合は、ソフトに関する口コミを見たり、経験者にアドバイスをもらったりすると自分に合うソフトに出会えるかもしれません。
お勧めのお絵描きソフト❘無料編
ここでは、無料のお絵描きソフトをご紹介します。
MediBang Paint Pro(メディバンペイント プロ)
MediBang Paint Proは、マンガもイラストも描ける本格的なソフト。
MacとWindowsのパソコンに対応しており、無料とは思えない程多彩な機能が備わっています。
そのため、若い世代を中心に支持を集めているソフトでもあるのです。
パソコンをメインに使用する方、初めてイラストソフトを利用する方は、この無料ソフトから始めてみると良いでしょう。
GIMP2(ギンプ2)
GIMP2は、画像加工や画像処理に特化した無料のソフトで、MacとWindowsに対応。
画像加工に関しては、有料のソフト並みの機能を持ち、広告表示もない点が魅力とも言えます。
こちらの公式サイトは英語ですが、ダウンロード後は日本語に変換することも可能なので安心して使用できます。
ibis Paint(アイビスペイント)
ibis Paintは、iPad・iPhone・Android・Windowsに対応したマンガとイラスト用のアプリで、無料版「ibis Paint X」と、有料版「ibis Paint」の2種類があります。
2万点以上もの機能が備わっていて、「本当に無料で良いの?」と思う程充実した内容になっているのがこのアプリの魅力。
こちらのアプリはiPad・iPhone・androidの場合、広告除去アドオン、またはプレミアム会員の有料版を購入することが可能です。
一方、Windowsの場合は、機能制限ありの「無料版」と買い切りの「有料版」のみ。
デジタル作画に触れてみたい方は、まずこのアプリから始めてみるのも良いでしょう。
お勧めのお絵描きソフト❘有料編
次に、有料のお絵描きソフトをご紹介します。
Photoshop CC(フォトショップ)
Photoshopは、写真加工に特化したグラフィックソフト。
こちらは前項で紹介したようなソフトとは異なり、デザインや映像、アート等を勉強している方、そのような職業に就いている方向けのソフトと言えます。
色味の調整やレタッチ、フォトアートに優れているので、プロからも高評価を得ており、画像編集のソフトで最も有名と言っても過言ではありません。
Mac・Windows・iPadで使用可能で、月額1,078円から利用できます。
CLIP STUDIO PAINT(クリスタ)
CLIP STUDIO PAINTはマンガを始め、イラストやアニメーションもつくれるソフト。
マンガやイラスト制作に欠かせない機能が多数備わっており、初心者をサポートする安心機能もあるので、多くの方から支持されています。
MacやWindowsに加え、Chromebook・iPad・iPhone・Galaxy・Androidと幅広い機種で利用が可能。
CLIP STUDIO PAINTには、「CLIP STUDIO PAIN PRO」「CLIP STUDIO PAINT EX」の2つのプランがあり、MacとWindowsは一括払いと月額プランから選べ、その他の機種は月額プランのみになります。
Illustrator(イラストレーター)
Illustratorは、世界的にも有名な「Adobe」が販売しているソフトで、デザインやレイアウト、ロゴの制作をメインにしたい方向け。
このソフトは、自由度が高く使いやすいところが魅力と言えます。
基本価格は月額2,728円(税込)で、Mac・Windows・iPadで利用が可能です。
デジタル作画のメリット
デジタル作画には、どのようなメリットがあるのか見ていきましょう。
作業が捗る
デジタル作画の最大のメリットと言えるのが作業効率の向上。
デジタル作画では、コピーやペーストを始め、回転や拡大縮小、塗りつぶし等を一瞬で行うことができ、ミスした場合でもクリックすればすぐ直せます。
このように、アナログ作画で費やしていた作業の時間を削減することで、効率良く制作できるようになるのです。
オンラインですぐ共有できる
デジタル作画は、その場ですぐデータが送れてオンライン共有できる点もメリットと言えます。
クラウドを使用すれば、複数の方が同時にデザイン作画をチェックすることが可能です。
また、デザイン作画はデータ保存ができるため、保管するスペースも必要ありません。
デジタル作画のデメリット
次にデジタル作画のデメリットを見ていきましょう。
初期費用がかかる
デジタル作画は、パソコンやタブレット等のツールが必ず必要なため、初期費用がかかるデメリットがあります。
しかし、故障した場合を除けば、大きな費用がかかるのは最初だけなので、長期間で考えたらコスパは良いでしょう。
データが消える可能性がある
パソコンやタブレットの不具合・故障があった場合、データが消えてしまう可能性があります。
しかし、バックアップを取っておけば問題はありませんので、その都度行うようにしましょう。
まとめ
デジタル作画の意味やお勧めソフトについてご紹介しました。
デジタル作画はアナログ作画よりも効率的に作業ができ、さまざまなソフトを活用していると、自身のレベルアップをめざすことも可能。
「デジタル作画を極めたい!」「アニメーションの作画に携わりたい」という方は、学校で勉強するのも1つの手です。
専門学校デジタルアーツ東京のアニメ学科では、お勧めのソフトでご紹介した「CLIP STUDIO PAINT」の操作方法や、アニメーターとしての技術について学びます。
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