声優の今とこれから
なりたいと思うのは簡単でも、実際に生計を立てていくのはとても大変で、選ばれた一握りの人しか表舞台には立てない。声優に対して、そんな印象をお持ちではないでしょうか。確かにその考え方は間違っていません。名前を聞いただけで、「あの役の人」という認識がされるほどの声優になるには、相当な努力と根気、経験と実績が必要になります。
しかし現代における、アニメやゲーム文化の拡大は、声優をめざす皆さんにとって確実に追い風となっていることもまた事実です。アニメの製作数は近年ますます増えており、その数は一週間に100本以上とも言われています。地上波テレビだけでなく、CS放送やインターネットなど、アニメが流される場所は多岐にわたり、その分だけ声優が活躍する場が増えています。映画やラジオ、ナレーションの仕事なども含めると、声優が必要とされる機会は今後も増え続けることが期待できます。
声優の仕事は、年齢に関係なく活躍できるというのも大きなポイントです。声優は基本的に顔を出さない職業なので、50代や60代くらいの方が小さな子どもの役を演じるといったことも充分にありえます。演じられる役柄に制限がない点で、いつまでも挑戦を続けることができる可能性に満ちた仕事なのです。若いうちから活躍するチャンスも、歳を重ねてからチャレンジすることだってできます。実力さえあれば、長く続けていける将来性のある職業であることを、認識してもらえたらと思います。
結局のところ、「やらなければできない」というのは他のどんな仕事でも同じことが言えます。皆さんにとってはその舞台が声優だったというだけで、やるべきことをやり、努力を重ねる必要性は他の人と変わりありません。それならば、自分が夢見た世界や強い想いを持つ将来をめざす方が、皆さんにとって、きっと輝かしい未来につながっているものだと、私たちは信じています。