
「裏声を出そうとすると声が裏返ってしまう」「裏声がかすれて上手く響かない」等、裏声の出し方に悩んだ経験はありませんか。
裏声は地声とは異なる声帯の使い方が必要なため、コツを知らないまま練習してもなかなか上達しません。しかし習得すると出せる音域が広がり、歌や演技の表現力も大きく高まるので、ぜひ身につけたいところです。
この記事では、裏声の仕組みから綺麗に出すための基本ステップ、上達のための練習法、よくある悩みの対処法まで、順を追って分かりやすく解説します。
- 1.裏声とは?
- 1-1.地声との違い
- 2.裏声を出すメリット
- 2-1.高音域が出しやすくなる
- 2-2.喉への負担を減らせる
- 2-3.表現の幅が広がる
- 3.裏声の出し方【基本ステップ】
- 3-1.①全身の力を抜いてリラックスする
- 3-2.②腹式呼吸を意識する
- 3-3.③ハミングで発声する
- 3-4.④少しずつ音程を上げる
- 3-5.⑤地声との切り替えを練習する
- 4.裏声を綺麗に出すコツ
- 4-1.喉を開くイメージを持つ
- 4-2.息を一定に流す
- 4-3.声帯トレーニングをする
- 4-4.毎日短時間でも継続する
- 5.裏声を上達させるお勧め練習法
- 5-1.ハミング
- 5-2.リップロール
- 5-3.ロングトーン
- 5-4.母音だけで発声する練習
- 5-5.ストロー発声
- 6.裏声が出ない原因と対処法
- 6-1.喉に力が入りすぎている
- 6-2.息の量が多すぎる・少なすぎる
- 6-3.ウォーミングアップ不足
- 7.裏声の出し方に関するよくある質問
- 7-1.裏声は毎日練習したほうが良いですか?
- 7-2.裏声がかすれるのはなぜですか?
- 7-3.裏声と地声が混ざってしまう時はどうすれば良いですか?
- 8.まとめ
<目次>
裏声とは?
裏声とは、地声のように声帯をしっかり閉じて振動させるのではなく、声帯を薄く伸ばした状態で振動させることで生まれる高い声のことです。地声よりも声帯を通り抜ける息の量が多いため、透明感のある柔らかい響きになるのが特徴です。
歌手はもちろん、声優にとっても裏声は欠かせない技術の1つです。例えば感情が高ぶった場面での叫び声や、少年・少女といった高い声のキャラクターを演じる場面等で活用されています。
裏声には主に「ファルセット」「ヘッドボイス」「ミックスボイス」という3つの種類があります。それぞれの特徴を、以下の表で簡単に整理しておきましょう。
| ファルセット | 声帯を完全に閉じずに出す、息漏れの多い柔らかな裏声 |
|---|---|
| ヘッドボイス | 声帯を閉じ気味にして出す、芯のある響きの裏声 |
| ミックスボイス | 地声と裏声を組み合わせた、力強さと高さを両立する声 |
地声との違い
地声は声帯をしっかり閉じて力強く振動させる声で、話し声や低音域の歌唱に使われます。
一方、裏声は声帯の閉じ方がゆるく息を多く含むため、軽やかで柔らかい響きになるのが特徴です。声質や響き方だけでなく、出せる音域も大きく異なります。
裏声を出すメリット
裏声を練習することには、高い声が出せるようになる以外にもさまざまなメリットがあります。ここでは、裏声を習得することで得られる3つの代表的なメリットを紹介します。
高音域が出しやすくなる
裏声を習得する最大のメリットは、地声だけでは届かない高音域を無理なく出せるようになることです。
歌唱では、サビの盛り上がる部分で裏声を使えると表現の幅が格段に広がります。声優の仕事でも、驚きや叫びといった感情表現で高い声が必要になる場面が多くあります。
使える音域が広がれば、これまで歌えなかった曲や演じられなかったキャラクターにも挑戦できるようになるでしょう。
喉への負担を減らせる
地声で無理に高い音を出そうとすると、喉や声帯に大きな負担がかかり、声がかすれたり喉を痛めたりする原因になります。
裏声は声帯を薄く伸ばして振動させる発声のため、地声で高音を出すよりも喉への負担が少なく済みます。
正しい裏声の発声を身につけることは、声帯を守りながら長時間の歌唱や発声を続けるためにも重要です。喉に優しい発声方法を知っておくことは、声優として長く活動していくうえでも大きな武器になります。
表現の幅が広がる
裏声を使いこなせるようになると、感情表現や演技のバリエーションが格段に増えます。切なさや儚さ、優しさといった繊細な感情は、力強い地声よりも裏声のほうが自然に表現できることも多いものです。
これは歌唱だけでなく、声優にとってアフレコの現場でも欠かせない重要な技術です。少年・少女や妖精等、高く可愛らしい声のキャラクターを演じる際には、裏声のコントロール力が演技の説得力を大きく左右します。
裏声の出し方【基本ステップ】
ここからは、裏声が苦手な方でも取り組みやすい基本のステップを5つに分けて紹介します。順番に取り組むことで、裏声の感覚を無理なくつかめるようになります。
①全身の力を抜いてリラックスする
裏声を出す前に、まずは肩や首まわりの力を抜いてリラックスしましょう。体に余計な力が入っていると、その緊張につられて喉も締まりやすくなり、裏声が出にくくなってしまいます。肩を軽く回したり首をゆっくり左右に倒したりして、体をほぐしてから練習を始めるのがお勧めです。
②腹式呼吸を意識する
裏声を安定して出すには、腹式呼吸が欠かせません。お腹をふくらませるように鼻から息を吸い、お腹をへこませながらゆっくり口から吐き出す呼吸法です。腹式呼吸を身につけることで息の流れが安定し、裏声が出しやすくなるだけでなく、声のかすれも防ぎやすくなります。
③ハミングで発声する
最初は口を閉じたまま、無理のない音程で「んー」とハミングをしてみましょう。ハミングは、力まずに自然な響きを声に乗せる感覚をつかみやすい練習方法です。鼻や頭のあたり(頭蓋骨内)に声が響く感覚を意識しながら、リラックスした状態で行うのがポイントです。
④少しずつ音程を上げる
ハミングに慣れてきたら、出しやすい高さから少しずつ音程を上げていきましょう。この段階では、地声か裏声かをあまり気にしすぎる必要はありません。音程を上げていく途中で自然と裏声に切り替わる瞬間があるので、その感覚を大切にしながら練習を重ねてください。
⑤地声との切り替えを練習する
裏声の感覚がつかめてきたら、地声と裏声を交互に出す練習に進みましょう。同じ母音のまま「地声→裏声→地声」と切り替えたり、音階を使って地声から裏声へ滑らかに移行したりする練習が効果的です。繰り返すことで、地声と裏声の境目がスムーズになっていきます。
裏声を綺麗に出すコツ

基本のステップに慣れてきたら、次は裏声をより綺麗に響かせるためのコツを意識してみましょう。ここでは4つのポイントを紹介します。
喉を開くイメージを持つ
裏声を綺麗に響かせるには、喉を開くイメージを持つことが大切です。あくびをする時のように喉の奥を広げる感覚をイメージすると、自然と喉が開きやすくなります。
逆に喉を締め付けた状態で発声すると、声が詰まったような窮屈な音になってしまいます。感覚をつかみにくい場合は、実際に小さなあくびをしてから発声練習に移るのもお勧めです。
息を一定に流す
裏声は、息の流れが不安定になると声も一緒に揺らいでしまいます。息が強すぎると声がひっくり返りやすくなり、逆に弱すぎると声が細くかすれてしまいます。腹式呼吸を使いながら、一定の量の息を途切れさせずに流し続けることを意識しましょう。
ろうそくの炎を一定の強さでゆっくり揺らし続けるようなイメージを持つと、感覚をつかみやすくなります。
声帯トレーニングをする
声帯を鍛えることで、高音域をより出しやすくなります。代表的な声帯トレーニングとしては、ストローをくわえて発声する「ストロー発声」や、一定の音を長く伸ばす「ロングトーン」等が挙げられます。
これらのトレーニングを継続することで声帯の柔軟性や息のコントロール力が高まり、安定した裏声を出せるようになっていきます。
毎日短時間でも継続する
裏声の上達には、まとまった時間を一度に練習するよりも、毎日短時間でもコツコツ継続することが重要です。1日5〜10分程度の練習でも、続けることで声帯や呼吸のコントロール力は着実に身についていきます。無理のない範囲で練習をルーティン化しつつ、喉に違和感がある時は休む等、自分の体と相談しながら続けていきましょう。
裏声を上達させるお勧め練習法
ここでは、裏声の上達に役立つ具体的な練習方法を5つ紹介します。ウォーミングアップとしても取り入れやすいものばかりなので、日々の練習に活用してみてください。
ハミング
ハミングは、共鳴の感覚をつかみやすくする練習法です。口を軽く閉じ、腹式呼吸で息を吸ってから「んー」と鼻に響かせるように発声しましょう。低い音から始めて少しずつ音程を上げていくと、鼻腔や頭部に声が響く感覚がつかみやすくなります。
喉に負担をかけにくいため、練習前のウォーミングアップとしてもお勧めです。
リップロール
リップロールは、喉の力みを取り除くのに効果的なウォーミングアップです。唇を軽く閉じたまま息を吐き出し、「ぶるるる」と唇を震わせながら発声します。唇や口まわりの筋肉がリラックスすることで、喉に余計な力が入りにくくなります。
最初は音を出さずに息だけで練習し、慣れてきたら声を乗せてみましょう。
ロングトーン
ロングトーンは、一定の音を長く伸ばして発声する練習法で、息と声の安定につながります。無理のない音程で「あー」と声を出し、できるだけ音程や声量を揺らさずに長く伸ばしてみましょう。
腹式呼吸で息の量をコントロールしながら行うことで、裏声を支える呼吸力と発声力が鍛えられます。
母音だけで発声する練習
「あ・い・う・え・お」の母音だけを使って発声する練習も、音程を一定に保つトレーニングとして効果的です。同じ高さの裏声で、それぞれの母音を発声してみましょう。
母音によって口の中の形や響き方が変わるため、どの母音でも安定した裏声を出せるようになると、歌唱やセリフまわしの幅も広がります。
ストロー発声
ストロー発声は、ストローをくわえた状態で「うー」と声を出す練習法です。ストローを通すことで息の圧力が一定に保たれやすくなり、声帯への負担を抑えながら発声のコントロール力を鍛えることができます。
声を出しにくい方や、喉に負担をかけずに練習したい初心者の方にもお勧めの方法です。
裏声が出ない原因と対処法
「練習しているのに裏声が上手く出せない」という場合、いくつかの原因が考えられます。ここでは代表的な3つの原因と、その対処法を紹介します。
喉に力が入りすぎている
喉に力が入って筋肉が緊張していると、息の通り道が狭くなり裏声が上手く出せなくなってしまいます。特に高い音を出そうとする時程、無意識に喉を締めてしまう方が多い傾向にあるようです。
対処法としては、発声前に肩や首をほぐし、あくびをするイメージで喉を開いてからリラックスした状態で練習することが挙げられます。力を抜くことを意識するだけでも、声の出やすさは変わってくるでしょう。
息の量が多すぎる・少なすぎる
裏声は、息の量が多すぎても少なすぎても上手く出すことができません。息が多すぎると声帯がしっかり閉じられず息漏れが増え、声がかすれやすくなります。逆に息が少なすぎると声に十分な響きが乗らず、不安定になってしまいます。
腹式呼吸で息の量をコントロールしながら、一定のペースで息を流し続けることを意識して練習してみましょう。
ウォーミングアップ不足
発声前のウォーミングアップが不足していると、声帯が硬いままの状態で高い声を出そうとすることになり、裏声が出にくくなります。歌う前や発声練習の前には、ハミングやリップロール等で声帯や喉まわりの筋肉をほぐしておきましょう。
準備運動をしっかり行うことで声帯が柔らかくなり、裏声もスムーズに出しやすくなります。
裏声の出し方に関するよくある質問
ここでは裏声の出し方でよくある質問を見ていきましょう。
裏声は毎日練習したほうが良いですか?
裏声の上達には、毎日少しずつ継続して練習することが効果的です。ただし、喉に痛みや違和感がある場合は無理をせず、喉を休ませることも大切です。
裏声がかすれるのはなぜですか?
裏声がかすれる主な原因は、息の使い方や喉の力みにあります。息が漏れすぎていないか、喉が締まっていないかを確認し、腹式呼吸とリラックスを意識しながら練習することで改善が期待できます。
裏声と地声が混ざってしまう時はどうすれば良いですか?
裏声と地声が混ざってしまう場合は、まず体の力を抜いてリラックスすることを意識しましょう。そのうえで、頭の高い位置から声を響かせるイメージを持ちながら裏声を出すと、混ざりにくくなります。
まとめ

裏声は、地声とは異なる声帯の使い方を身につけることで、誰でも綺麗に出せるようになる発声技術です。全身の脱力や腹式呼吸といった基本を押さえたうえで、ハミングやリップロール、ロングトーン等の練習を継続すれば、着実に上達していきます。
裏声を含めた発声技術は、声優として活躍するうえで欠かせないスキルの1つです。専門学校デジタルアーツ東京の声優学科では、発声や滑舌といった基礎トレーニングから、アフレコや舞台表現等の応用まで、現場を見据えたカリキュラムで実践的に学ぶことができます。例えばプロ仕様のスタジオで行うアフレコ実習では、現役の声優講師からマイク前ならではのこまかなテクニックを直接指導してもらえます。裏声の出し方に悩んでいる方は、ぜひ一度、資料請求や体験入学で専門学校デジタルアーツ東京の学びに触れて、あなたの声の可能性をみつける第一歩としてください。
>>声優の専門学校はどんなところ?カリキュラムや養成所との違いを解説
>>専門学校デジタルアーツ東京 体験入学
>>専門学校デジタルアーツ東京 説明会・学校見学
専門学校デジタルアーツ東京【声優学科】トップへ戻る





